父の背中とエネルギーの未来

　守山市でガソリンスタンドを2店舗と、未使用車専門の自動車販売店を経営しています。3年前に父から受け継ぎ、社長として新規事業の立ち上げや社員の職場環境の改善などに取り組み、仕事内容は多岐にわたります。

　幼い頃、父に「自動車の修理工場をしたい」と言っていたそうです。ガソリンスタンドを経営する親の背中を見て、車関係の仕事に憧れたようです。
　中学生の時、働く父の姿が格好良く見え、社長になろうと思いました。高校生になり、当時は「近い将来、ガソリンはなくなる」と言われていました。ガソリンに代わる燃料を研究できたらと大学は工学部に進学しました。
　ガソリンに代わる燃料を研究したいと思ったのは、高校生の時、「未来をひらく水素自動車」（古濱庄一 著・東京電機大学出版局）を読み、未来のエネルギーにロマンを感じたことがきっかけです。この本に出会ったおかげで学ぶことが将来の役に立つのだと知り、勉強が楽しくなりました。

新たな事業の柱をつくる

　大学時代に研究より営業や事業拡大に興味を持つようになり、卒業後は外資系の会社に就職し、大企業の経営コンサルタントを担当していました。ベンチャー企業に転職した24歳の時、父が病で倒れ、滋賀に戻って来ることになりました。

　ガソリンはなくなりませんでしたが、車の燃費が良くなり、電気自動車も普及し、カーボンニュートラルが求められる今、今まで通りのガソリンを売る事業だけでは大きな発展が望めないと感じ、3年前に新たな事業の柱となる未使用車専門の自動車販売を始めました。コンパクトカーの未使用車に特化し、市場を作り出したいと思っています。

社員・お客さま・地域の三方よし

　スタッフは縁があって一緒の船に乗っている家族だと思います。仕事を通して人間的に成長して、働いているみんなが幸せになってほしいと願っています。そのために、社員教育に力を入れています。現場の仕事は先輩スタッフが教え、外部の研修にも参加するようにしています。昨日より今日、今日より明日と、仕事をしながら少しでも成長してほしいと思っています。

　ガソリンを販売するだけでなく、サービスステーションとして車の修理や保険の代理店、車検なども請け負っています。サービスを通してお客さまの生活を安全で快適に便利にすることで、お客さまを幸せにしたいです。

　さらに、地域貢献も大切な役割だと感じています。防災や環境に優しく、子どもや高齢者にも優しいサービスステーションでありたいです。

世の中に必要なものを提供する

今後の目標として、農業を新規事業にしたいと思っています。食糧事情は世界的な課題ですが、農業は後継ぎがいないなど様々な問題を抱えています。IT技術を使い、スマート農業を事業として展開することで、社会問題の解決に挑みたいと思います。

　おいしいものを作って、日本人の健康維持に役立ち、さらに輸出できるような作物を作れば、市場は世界に広がります。事業に関わる人が幸せになり、世の中に必要なものを提供できる会社になることが目標です。

　学生のうちは視野を広げるため、海外の人とふれあう機会をもつことや、本を読むことをおすすめします。私にとっての「未来をひらく水素自動車」のように、将来を変えるような出会いをしてほしいです。

Q.休日の過ごし方は？

A.ロードバイクに乗ってサイクリングをします。ガソリンを売っていますが、自転車は自分の力だけで走れるのがいいと思います。ビワイチやしまなみ海道、富士山のまわりもサイクリングしました。

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Q.尊敬している人は？

A.京セラ創立者の稲盛和夫さんです。経営者として尊敬しています。

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寺田商事株式会社

サービスステーション「カーライフ守山SS」「びわ湖大橋SS」、コンパクトカー未使用車販売店「ノアーズ」を運営。車検、一般整備・板金、レンタカー・リース事業、自動車保険代理店。
人々の生活をより豊かで快適にする商品やサービスの開発と提供を通じて、全スタッフの人間的成長と幸福を追求し、社会の発展に貢献し続けます。